【折り紙工学】を応用することによって、さらなる付加価値をうみそうなプロダクトアイディアを募集(アイディア・ラフ案だけでも応募可能)
デザイン募集 締切日 2021年4月30日

【折り紙工学】を応用することによって、さらなる付加価値をうみそうなプロダクトアイディアを募集(アイディア・ラフ案だけでも応募可能)

技術提供
株式会社OUTSENSE
コンセプト考案
canvas

【折り紙工学】は、みなさんの日常から宇宙空間に至るまで、幅広く応用されている要素技術です。その名の通り、日本文化である「折り紙」から派生した学問領域なのです。
プロダクトに応用することによって「強度アップ」「収納力や携帯性の向上」「ショック収集」「音の反響機能」など、様々な付加価値を付与できます。
そこで今回は、「折り紙工学」を扱うベンチャー企業である株式会社OUTSENSEとのタッグで、「折り紙工学」の世界を、一般的な知識だけでも理解できて、日常生活での応用範囲をイメージできるように紐解きながら、「折り紙工学」を応用することによって、さらなる付加価値をうみそうなプロダクトアイディアを募集します。

募集要項

報酬
賞金 50,000円(消費税込) / アイディア案
※源泉徴収税(10.21%)を引いた金額45,360円をお支払させていただきます。
■募集条件 ・「折り紙工学」を応用することでさらなる付加価値をうみだすこと。
・「折り紙工学」を応用する必然性を有していること。
・小売店(オンラインショップ含む)で販売できるプロダクトのアディアであること。
・プロダクトは、日常で使われるものと想定できるサイズであること。
・想定している素材は一般的なものであること。
■採用について canvasから個別にご連絡します。
締切日 2021年4月30日
<注意事項>
  • ・本プロジェクトで採用された場合でも、必ず商品化されることをお約束するわけではありません。
  • ・採用されたアイディアはデザインや製造工程に伴い、大きく修正することがあります。
採用発表予定
2021年6月30日
商品化評価期間
約3ヶ月

日本を代表する文化である「折り紙」。ヨーロッパなどで独自に発展した「折り紙」もありますが、現代では日本語の発音を移した「ORIGAMI」という呼称が海外でも広く使われています。恐らく、日本人ならば、多くの方々が子供の頃から慣れ親しんでいるのではないでしょうか。

そんなとっても馴染み深い「折り紙」ですが、実はそこから派生した学問領域があることをご存知ですか?あまり一般的には知られていませんが、「折り紙」は「折り紙工学」として、とても身近なところから宇宙空間に至るまで幅広く応用されているのです。

本プロジェクトでは「折り紙工学」を活用したプロダクトを開発していきます。しかし「折り紙工学」はとっても奥が深く、プロダクトデザインに応用して実用的な製品をつくりだすには、技術者との時間をかけた対話が必至です。

そこで、今回はいきなりデザインの募集ではなく、まずはちょっとライトに「折り紙工学を応用できそうなプロダクト」というテーマでアイディアを募集します。

あなたの周りに「折り紙工学」を応用することでさらなる付加価値をうみだしそうなプロダクトはありますか?「折り紙工学」を応用する必然性を有していることを条件とします。

では、さっそく「折り紙工学」の世界にふれていきましょう。

そもそも、「折り紙工学」とは?

冒頭ではみなさんに馴染みのある「折り紙」に触れましたが、厳密には「折り紙」でつくる一般的な造形物と、「折り紙工学」でつくる構造物の考え方は異なります。
「折り紙工学」とは、折りという特異な行為によって生み出される様々な特徴、機能を工学的に応用するという学問です。1枚の平面を折るだけで形や構造物の柔らかさなどを表現することができます。

実は日本人にとっても馴染み深い「折り紙工学」

1960年代頃から研究が活発になってきた「折り紙工学」は、日本のみならず海外でも、超小型ロボットや細胞、人工臓器、複雑な形状のハニカムパネルの製造方法や衛星のソーラーパネルなど、多種多様な分野での活用が進んでいます。

そんな中、産業応用の代表例として知られているのは、東京大学宇宙航空研究所の三浦公亮名誉教授が、1970年に考案した「ミウラ折り」という技術です。「ミウラ折り」は1985年に宇宙船のソーラーパネルを収納する効率的な方法として提唱されました。そして、1995年には日本が打ち上げた衛星「宇宙実験・観測フリーフライヤー」で実際に採用されているのです。

ミウラ折りの説明

現在では、みなさんの日常にも「ミウラ折り」が活用されたプロダクトがたくさんあります。地図やパンフレット、レジャーシートなど、2次元で展開する数多くのプロダクトに応用されているのです。

さらに、どんどん応用が進む「折り紙工学」

●飲料缶への応用で、強度アップ

飲料缶の表面に「折り紙構造」の凹凸を施す事例があります。そのことで、缶の強度が増し、材料を薄くすることができて、軽量化につながっているのです。

※参考 https://www.toyo-seikan.co.jp/technology/can/decorationshape/diamondcut/

●インテリアへの応用で、収納力や携帯性の向上

椅子や、机などのインテリアを「折り紙構造」にすることで、小さく折り畳んで収納ができるようになります。また、小さくて軽くなるので、携帯ができるようにもなるのです。

●子供服への応用で、成長にあわせて長期間着られるように

成長が早い子供の服を「折り紙構造」でつくる事例があります。服が通常の状態から、子供の成長に合わせ大きくなることで、長く着られる服になるのです。

●ショック吸収機能への応用

宇宙分野ではロケットの衝撃吸収として、折り紙構造を応用しています。折りの部分が縮むことを利用して、ロケットが着陸する際の衝撃を吸収するのです。

※参考 https://www.axismag.jp/posts/2019/05/130378.html

●音の反響機能への応用

折り紙構造の技術と幾何学的なパターンを用いることで、内部に広がる音の反響を変化させることができます。音の反響に合わせて、展開収納を組み返すことで、その空間に最適な音を届けることができるのです。

※参考 https://taubmancollege.umich.edu/research/research-through-making/2012/resonant-chamber

「折り紙工学」の更なる可能性を追及する宇宙ベンチャー。株式会社OUTSENSE

突然ですが、今みなさんの目の前に「紙」があれば、何も考えずクシャクシャにしてください。そっと置くと、ゆっくりと開きますよね。そう、ここまで読んで既にお気づきの方もいるかと思いますが、この現象も「折り紙構造」の要件を満たしているのです。

さらに踏み込むならば、私たち自身の体の構造自体も「折り紙構造」そのもの。人工物だけでなく、自然界のあらゆる場所に「折り紙構造」を見出すことができるのです。
この「折り紙工学」の面白さや可能性に魅せられた若者達がいます。それが、本プロジェクトの技術担当企業である株式会社OUTSENSE。彼らは「折り紙工学」を活用した宇宙の建築物を造り、人類が月面に居住することができる未来の実現を目指す宇宙ベンチャーです。

左:アウトセンスの堀井さん 右:アウトセンスの石松さん

株式会社OUTSENSEは、3次元展開する「ソガメ折り」から「折り紙構造」に発展させ、3次元で紙だけでなく厚みのある硬い材料でも展開させることができる独自技術を開発しました。「ソガメ折り」のルーツは、先ほど紹介した「ミウラ折り」から発展した折り方です。

彼らは、現状の形状から変形させたい目的形状まで、折り紙の構造を用いてなんでも折れてしまうスペシャリスト達なのです。

ソガメ折りの説明
イシマツ折りの説明

ここまで「折り紙工学」について紹介させて頂きました。既に知っていた方も、はじめて知った方もいらっしゃると思います。専門的で、一見とても難解な「折り紙工学」を日常生活に応用することの魅力や可能性が伝われば何よりです。

あなたが考える「折り紙工学」を応用することによって、さらなる付加価値をうみそうなプロダクトアイディア、ぜひお待ちしております。

技術提供元  株式会社OUTSENSE

株式会社OUTSENSEホームページ

応募方法

  • 企画案は、すべて画像データ(JPG, PNGまたはGIF形式)で本サイト内に投稿してください。 ※複数のご提案は可能です。
  • 企画案は、アイデアプラン、アイデアスケッチ、試作品の撮影画像等、ラフ案でも構いませんので、自由に組み合わせてご投稿ください。
  • 投稿は合計6ファイルが上限となっております。
  • 企画案の内容には、想定している素材(例:木材、紙、プラスチック、アルミ、革など)もご記載ください。
  • 厚みのある硬い素材の場合、「イシマツ折り」の動画で説明した作り方ををご参考ください。

審査方法・プロセス

  • 本件の応募要項に沿っていること。
  • 株式会社OUTSENSEの技術領域で実現が可能なこと。
  • 複雑な構造になり過ぎず、現実的に販売が可能だと予測がつくこと。