





















作品紹介

扇ぐ度に香りと色が匂い立つ手のひらサイズのアロマフレグランス。【うつし香シリーズ】は、扇いで涼むという扇子の伝統的な機能を発展させたプロダクトです。「嗅覚」と「視覚」を一緒に楽しませてくれます。鞄やケースに忍ばせて、お好みの香りを持ち運んでください。プロダクト開発ストーリーを大西常商店4代目の大西里枝さんにおうかがいしてきました。
扇子の「涼む」だけではないさらなる付加価値とは

大西里枝さんは、京都で長年に渡って扇子の製造から卸、小売までを一貫して手掛ける大西常商店の4代目。着物姿で接客するその姿は、誇りをもって業界に携わるスペシャリストとしてのオーラを放っています。大西常商店の店内へ一歩足を踏み入れると、歴史を重ね熟成した趣に自然と背筋が伸びてしまいます。
素材や加工における様々なテクノロジーが発達して、便利で価格も安いプロダクトが溢れる昨今。伝統工芸の現代に通ずる価値とはいったいどこにあるのでしょうか。
里枝さんが伝統工芸の担い手として新たなプロダクトを開発する時は常にこの問いからはじまるのです。扇子の機能は誰もが認識している通り「暑い時に扇いで涼む」ということですよね。しかし、涼むという機能は最近よく見かける携帯扇風機で代替可能です。
そこで里枝さんは扇ぐという行為にもっと「楽しさ」や「喜び」を感じてもらえるようにできないかと考えました。ヒントになったのは、扇子にまつわる平安時代の風習です。その時代の貴族たちは扇子に好みの香を焚きしめ、意中の相手に渡して想いを伝えていたそう。扇子がラブレターのように使われていたのです。そのことを知った里枝さんは、この風習を現代解釈して、扇子の「扇ぐ」行為と「香り」を結んだ価値を考えていきました。それが、扇いで香るアロマフレグランス【うつし香シリーズ】がうみだされるきっかけになったのです。
研究開発の末にうまれた「嗅覚」と「視覚」で楽しむあらたな扇子

扇子の製造工程では、骨組にあたる扇骨へ香りをつける工程があります。扇骨には高い「保香性」があるのです。【うつし香シリーズ】は扇いだ時の香りを長持ちさせるため、和紙への着香を試みています。里枝さんは研究開発からスタートしたのです。独自で香料メーカーを訪問し、様々な香料での試作から実現性が見えてきた【うつし香シリーズ】。
里枝さん自身がテストした結果、香りが1年ほど保てることが実証されました。購入から1年以上経過して香りが弱まってきたら、郵送でのつけ直しサービスもあります。
【うつし香シリーズ】では、「嗅覚」で楽しむ香りと「視覚」で感じる美しさを連動させるために、扇面へのこだわりもあるのです。扇子は種類によって、使用される扇骨の数にあたる間数(けんすう)が違います。少ないものだと8間、多くものだと40間程度にもなります。【うつし香シリーズ】では扇面が最もきれいに出て、持ち歩いているだけで美しい間数の型を選定しているのです。さらに雲母と呼ばれる粉を扇面の和紙に重ねています。雲母の作用で、光の当たる加減から上品で美しい輝きをうみだしています。
香りから想い描いた情景、五感を行き来する楽しみ方。
【うつし香シリーズ】の香りはすべて、「和」を連想するものをチョイスしています。
里枝さんが香りからのインスピレーションで想い描いた情景を、デザイナーさんが扇面にグラデーションで表現しているのです。
【沈香】の心地よい清涼を含んだ、さわやかで落ち着いた香りからは【あわ雪】を想い描き、手に乗せると溶けるような雪の粒や静かな冬の情景をイメージしたグラデーションで表現しています。
【桜香】の満開の桜がいっせいに香りたつような華やかさからは【春めく】を想い描き、冬から春に向かいゆく暖かな光と花のほころびをグラデーションで表現しています。
【白檀香】の少しスパイシーさを含んだ優雅な香りからは【月かげ】を想い描き、夜明けの空に姿を現す、艶めいた月の姿をグラデーションで表現しています。
【沈丁花香】の心が躍るように匂い立つ華やかでセクシーな香りからは、晩夏に降り注ぐ陽の光と、そっと顔を覗かせる秋の風をグラデーションで表現しています。
【檜香】の涼やかでいて心が穏やかにリラックスできる香りからは、夏の夜が明ける直前の、空色の移り変わりをグラデーションで表現しています。
涼むだけではなく扇いて香る【うつし香シリーズ】は、暑い夏だけではなく、季節を問わず持ち歩いて使えるプロダクトです。オフィスでのちょっとしたリラックスタイムや、満員電車の中など、あなたのライフスタイルに合った使用シーンを想像してみてください
これからの伝統工芸を根本から問いながらのものづくり

里枝さんは伝統工芸業界のど真ん中で活動しながらも「伝統工芸は今後必要か?」という根本的な問いを持ち続けています。それはなぜか、例えば現代では大西常商店が扱う「扇子」を「携帯扇風機」で代替できてしまう現実があるからです。現代のように変化が早く、絶えずトレンドが入れ替わる中では、伝統工芸の存続は難しい局面にあるのです。しかし、厳しい環境にありながらも「お客さんが求めること」を常に考え続けている企業は、徐々に元気になっているそう。伝統工芸のベースを大事にしながらも、少しずつ現代の生活へフィットさせたものづくりをはじめています。そして大西常商店も伝統工芸業界をリードする企業の一つ。
里枝さんは、大西常商店のプロダクトを開発していくにあたり、五感を使った体験から「驚き」や「喜び」をうみだすことに重きを置いています。今後、見た人を「あっと」思わせる大西常商店の新たなプロダクトが楽しみですね。
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販売元
大西常商店
- 作品情報(仕様)
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- サイズ:25骨/19.5㎝
- 重量:40g