

























作品紹介
シンプルでありながら、細部までこだわりぬかれた造形。触れることなく、生き生きした革の質感まで感じさせてくれる唯一無二の色彩は、街ですれ違う無意識の視線を集めることでしょう。
「背負う」にこだわったものづくり。【スクエアバッグ】は、70年に渡り上質なランドセルをつくり続けてきた技術の結晶です。機能性を満たすことはもちろん。人の情緒に寄り添う株式会社生田の【スクエアバッグ】。プロダクト開発ストーリーを株式会社生田の長井社長とデザイナーの孫さんにおうかがいしてきました。
自然とはじまった、ものづくり好きなメンバーのプロダクト開発

日本人なら、きっと多くの人が背負っていたランドセル。小学校の6年間を、毎日一緒に過ごした特別な存在ですよね。
扱いの難しい本革にこだわり、300以上もある製造工程を自社の職人たちで切り盛りする株式会社生田。あらゆる産業で機械化が進んだ現代でも、あえて真心をこめた手作りにこだわっているのです。長井社長をはじめ、メンバーたちは根っからの職人です。仕事の合間には、自分が欲しいものを制作するほど、ものづくりを心から楽しんでいるのです。

ランドセルを使う子供たちが少なくなってきた今。長年続けてきた生業の存続に危機感を感じているより、何か新しいものをつくろうという空気が自然にうまれるのは、株式会社生田のメンバーだからこそ。
ただ、ランドセルの製造にはさまざま技術が凝縮しており、ものづくりへの応用範囲がとても広いそう。いったい何をつくるべきか。選択肢がたくさんあるからこその悩みもあるのです。
メンバーは時間をかけてじっくり考え、少しずつ見出していきました。そうして見えてきた答えは「背負うもの」。歴史あるランドセルメーカーとして、これからも「背負うもの」を追求していく。長井社長とメンバーたちは、株式会社生田がこれからつくっていくべきものを、明確にイメージしていました。しかし、そこから具体的に造形していくところで、プロジェクトは暗礁に乗り上げてしまったのです。
想いを形にしていく、デザインの力

数年が経過したとき。突然、韓国から一通の履歴書が届きます。そのあまりの長さと、文面からほとばしる熱量に驚いたという長井社長。送り主は、【スクエアバッグ】のデザインを手掛けた孫さんです。
韓国ではカラーデザイナーとして働いていた孫さん。デザイナーから一転、自分の手で何かつくりたいという想いで、職人を志していたのです。日本が大好きだという孫さんは、偶然にもインターネットでランドセル職人の求人を発見し、株式会社生田のメンバーとなりました。日本固有の文化である「ランドセル」と、職人を目指していた日本好きな孫さんが出会う。まさに、これ以上ない奇跡的な展開ですね。あと一歩で足踏みしていた開発プロジェクト。孫さんが加わったことでいっきに加速しはじめたのです。
「背負うもの」に賭けた株式会社生田の想い。みなさんは、はじめてランドセルを背負ったときの気持ちを覚えていますか。「学校」という未知の場所への期待と不安。いったいこれから、どんな人に出会い、何が待っているのか。新品の筆箱や教科書を詰め込んだランドセル。そのずっしりした重さに、言葉にならない「ワクワク感」を感じたのではないでしょうか。
【スクエアバッグ】で表現したかったのは、そのような「背負うワクワク」です。孫さんは、アイデアスケッチをかさねながら、素材、色、形状を検討していきました。そこでやはり大事だったのは、素材の革です。大事な思い出と共にあるランドセルのように、使う人の人生に寄り添う鞄にしたい。【スクエアバッグ】では、経年変化を楽しめる上質なヌメ革を厳選して使っています。長く大事使うほど表情が豊かに、そして色や艶に持ち主の個性が現れるのです。
そしてなんといっても、【スクエアバッグ】で目を引くのは特徴的なカラー。温度や湿度によって色の入り方が変化してしまう革。理想を実現するのは大変困難です。しかし、孫さんは何度も調整を繰り返し、「背負うワクワク」を感じさせてくれるカラーを追求したのです。
【スクエアバッグ】の形状には、無駄な要素がいっさいありません。とことんシンプルでスタンダード。ただ、素材と色に込められた飽くなき探求心が、自然で軽やかな個性を感じさせてくれるのです。
ほのかに感じる、ランドセルの懐かしさ
【スクエアバッグ】には、ランドセルの要素が取り入れていることに気づきますか。それは「ヘリ」と呼ばれる部分。さり気なく細かい要素ですが、「ヘリ」が形状をしっかり安定させ、側面を守り傷がつきにくいのです。

使用シーンをちゃんと想定してつけられたポケットも大事ですね。ノートパソコン、手帳やファイルなど、ビジネスシーンに欠かせない大事なアイテムを持ち運ぶにはピッタリです。
もちろん機能面も大事ですが、【スクエアバッグ】は使い込むほど質感に味がでます。長井社長には、大学時代から大切に磨きながら使っている靴があるそう。大事に履き続けて、いつかお子さんに譲りたいという想いがあるのです。日々丁寧に手入れしながら、一つのものを変化と共に楽しむ。そういった魅力を自身で経験してきた長井社長だからこそ、誰かの人生に寄り添い歳を重ねていく、そんな【スクエアバッグ】まで想像しているのです。
【スクエアバッグ】はただものを入れて運ぶ道具ではありません。その存在は、使う人が歩み、紡ぎだす物語の一部となっていくのです。
随所に散りばめられた、背負い心地へのこだわり
背負ったときの心地よさ。【スクエアバッグ】の開発では、ランドセルメーカーである株式会社生田の「背負うもの」に対するこだわりが詰まっています。
実際にメンバーが背負い、何度も試作を重ねて改善していったそう。肩ベルトの位置に注目してください。重心が後ろになりすぎないよう、歩きやすさが考えられています。スタイルも、全体のバランスをみながらの細かな調整。
また、肩ベルトを固定している金具は、いわれる「Dカン」と呼ばれ、可動域を広くとれる部材を使用。実はランドセルと同じ構造なのです。このことで背負いやすくなり、さまざま体形の人に合うのです。

さらに、肩ベルトの下部には空間的な余裕があるため、服に肩ベルトが擦れて傷むなんてこともありません。

とっても細かいところですが、肩ベルトのカバーの下部は、角を落としてスリムになっています。これも、脇腹部分の空間に対する配慮なのです。

【スクエアバッグ】は、細部に至るさまざまな配慮で、背負った初日から最高の「背負い心地」。さらに、革だからこそ時間が経過するほど体に馴染むのです。ここまで「背負い心地」に徹底してこだわるのは、自分たちが一つ一つ愛情を込めてつくったものを、長く大事に使ってもらいたいからこそ。
信念があるからこその判断。時代を超えて大切なこと

ものづくりに熱をもったメンバーが集まっている株式会社生田。製品に対して、自分たちの目が行き届くことを大事にしている長井社長。
ただ、かつて一度だけ、株式会社生田は大量生産に舵を切ったことがあったのです。製造すればするだけ売れていた高度経済成長期。どのメーカーでも流れは同じでした。株式会社生田も機械化された工場を新設し、順調に事業が拡大。誰がみても順風満帆でした。
しかし先代の社長は、そのような絶頂期に工場たたみ、あえて事業を縮小したそう。「こういうものづくりがしたかったわけではない」と、どこかに感じる現状への違和感。信念がなければできない、時代に大きく逆行する決断です。だからこそ、数少ないランドセルメーカーとして残り続けているのかもしれません。
その後、少数精鋭の職人たちが丹精込めたランドセルを世に送り出し続けきた株式会社生田。長井社長は、一人の職人としてそのような歴史を経験してきました。そのような伝統を継承した長井社長は、「つながり」を大切にしています。
例えば、一人一人が次の工程を担うメンバーを気遣うこと。また、メンバーの得意なことがしっかりと生かされていること。もちろん企業の枠を超えても、ものづくりにおける「つながり」の大切さは変わりません。
実直で真心がこもった株式会社生田の「背負うもの」。これから、創り上げれていく子が楽しみですね。

決済・返品について
決済について
クレジットカードのみ
配送について
- 運送会社
- ヤマト運輸
- 送料
- ¥ 0
- 配送日指定
- 指定不可
通常のご注文は、受注してから7日以内に発送いたします。
- 時間指定
- 指定不可
返品について
トラブル防止のため、商品到着後はなるべくお早めに商品内容をご確認ください。
ご注文内容と異なる商品や不良品につきましては、まずは当社へご連絡ください。
お客様のご都合による返品、交換は、受付いたしかねます。
免責事項
本ヌメ革特有のナチュラルな風合いと素材感を活かすため、表面のコーティングを最小限におさえております。そのため牛本来が持つ傷・シワ・血管・毛穴などが革の表面や裏面に現れる場合もありますが、余計な加工を施さずに一つひとつ表情が異なる自然皮革だからこそ楽しめる特徴です。
なお、本ヌメ革は表面が柔らかいため、製造工程中や保管の際に薄い擦り痕が付く場合もありますが、これはご愛用していただく中で自然と馴染んで目立たなくなりますので、ご安心ください。
【注意事項】
・表面加工をほとんど施さないナチュラルな仕上げのため、爪やアクセサリーなどで傷つきやすいです。浅い傷はご愛用中に徐々に目立たなくなりますが、傷を気にされる方はご注意ください。
・ヌメ革は水に濡れるとシミや水ぶくれの原因になりますので十分な注意が必要です。雨や雪のときに使用する際は事前に防水スプレーの使用をおすすめいたします。
・革の自然な表情を活かすことを大事にしているため、表面に色止めなどの加工を施しておりませんので、摩擦や水濡れ、長期間の接触などによって色落ちや色移りすることがあります。使い込むと色落ちや色移りしにくくなりますが、薄い色や明るい色のお洋服を着用される際にはお気をつけください。
・自然の風合いと手触りを活かすため、もともと牛が持つシワや傷を残しておりますが、革のひび割れや亀裂ではないので、強度には全く問題ありません。
・IKUTA KABANで仕入れる革は、質感や色合いの経年変化を楽しめる上質なタンニンなめしの革です。使い込むほど色やツヤが変わっていきます。
IKUTA 職人の手作業により作られるタンニンなめし革のため、色味にブレがあります。また、革の繊維の密度や原皮の状態の違いより1枚の革の中にも染めムラが生じ、同じ革色、同じ商品を同時にご注文いただいても、色味が異なる場合もあります。
販売元
株式会社生田
- 作品情報(仕様)
-
- 品名:スクエアバッグ
- 材質:ヌメ革(皮革の種類:オルフェス)
- サイズ:W300 x H425 x D130 mm
- 重量:約1,550g